2023-01-01から1年間の記事一覧

東浩紀『訂正可能性の哲学』―確率と主体と身体と―

東浩紀の『訂正可能性の哲学』をようやく読むことができました。最初の感想は、これまでの氏の本のなかでもっともシンプルな議論になっている、というものでした。 この本は二部に分かれています。第一部が「家族と訂正可能性」、第二部が「一般意志再考」と…

『存在論的郵便的』についていまさら考える――東浩紀と確率と確率論

『統計の歴史』(オリヴィエ・レイ)という本を読んでいて、昔から漫然と考えていたことがクリアになった気がするので、唐突に東浩紀について、確率論と統計学という観点から書いてみます。 東浩紀の『存在論的郵便的』という本の貢献の核心は、(意味の)決…