事実としての多様性と理念としての多様性について

事実としての多様性と理念としての多様性について ゴールデンウィーク、家族で大きな公園に出かけて、自然はいいなあ、樹とか草とか生き物とか多様性はいいなあとホッコリしていたら、急にそもそも多様性ってなんだろうという疑問に襲われた。現代社会では、…

Chat GPTを相手にした能動的推論がめっちゃ優秀だという話

Chat GPT(あるいはその他の生成系AI)、みなさんはどのように使っていますか?いまから、Chat GPTのある使い方を紹介します。それは、能動的推論のパートナーとして使う、という使い方です。 以下、本記事の目次です。 1. 能動的推論ってなに? 2. 〈学び〉…

三木那由他『話し手の意味の真理性と公共性』――共同性とコミュニケーションの範囲の定義

三木那由他『話し手の意味の真理性と公共性』 三木那由他『話し手の意味の真理性と公共性 コミュニケーションの哲学へ』。ざっと読んだ範囲での雑感。グライス的な意図を基盤とするコミュニケーション理解から、テイラー的な共同性を基盤としたコミュニケー…

東浩紀『訂正可能性の哲学』と確率の問題

訂正可能性と予測する脳 東浩紀が提起している「訂正可能性」という考え方は、脳科学における「予測する脳」のモデルときっととても親近性がある。自分の理解では、予測する脳モデルは脳の役割を、世界のありかた(世界仮説)を予測してそこに確率を割り振り…

東浩紀『訂正可能性の哲学』―確率と主体と身体と―

東浩紀の『訂正可能性の哲学』をようやく読むことができました。最初の感想は、これまでの氏の本のなかでもっともシンプルな議論になっている、というものでした。 この本は二部に分かれています。第一部が「家族と訂正可能性」、第二部が「一般意志再考」と…

『存在論的郵便的』についていまさら考える――東浩紀と確率と確率論

『統計の歴史』(オリヴィエ・レイ)という本を読んでいて、昔から漫然と考えていたことがクリアになった気がするので、唐突に東浩紀について、確率論と統計学という観点から書いてみます。 東浩紀の『存在論的郵便的』という本の貢献の核心は、(意味の)決…